直近の気になる大会といえば、やはり6.14 新日本プロレス大阪城ホール大会「DOMINION」で間違いないでしょう。上半期の総決算にして、夏のG1 CLIMAX、そして来年の東京ドーム大会へとつながる注目度の高い大会です。
しかも、この模様は、当日の夜22時台という絶好の時間帯で特番で全国地上波放送(テレビ朝日系列)されるという世間へ向けた大一番でもあります。
今回はこの「DOMINION」主要試合の予想…ではなく、「全国地上波特番でプロレスの扱われ方がどうなるの?」についてのお話です。

全国地上波放送が続く戦略
まず、今年の1.4東京ドーム大会がプライム帯での全国地上波放送の初陣でした。
年間最大のビッグマッチに加え、棚橋弘至引退試合という大きな話題もあり、大健闘といえる視聴率と占拠率だったと聞いてます。
来年のドーム大会もいい時間帯の地上波で中継されるかな…と思いきや、約半年後の6月の大阪城ホール大会も全国放送が決定し「攻めるな、新日本!」なんて嬉しくなったもんです。
この近年には実現しなかった地上波攻勢、これは数週間前のあの大きな発表で合点がいきました。
そうです。株式譲渡によりテレビ朝日(サイバーエージェント)が新日本の親会社になったのです。
親会社になることはかなり前から幹部クラスで話が進んでいたでしょうから、テレビ朝日による早めの仕掛けがその裏で着々と動いていたのか!と。
ですが、1年に2回目となるプライム帯の地上波特番は快挙であることに変わりありません。
業界発展のためには、特番でも多くの人の目に触れることは大事ですから。
ん?大事…?果たして、そうなのでしょうか。

メジャー化とニッチ化の分岐点
テレビ朝日が新日本の親会社になったという強烈で強大な事実。これ、逆を言えば視聴率やスポンサーが思っていた以上に取れないコンテンツだと判断されたときに、深夜帯のレギュラー放送がさらに遅い時間に追い込まれたり、中継だけでなく会社規模での予算が縮小されたりすることも充分あり得ます。もちろん、テレ朝と新日本は53年以上の付き合いなので、すぐにマイナスのテコ入れはしないと思いますが。
ただ、全国地上波放送が今後も頻繁にされると考えると、今と来年の東京ドーム大会までの勢い、特に6.14大阪城大会は、テレビでのプロレスがさらに全国的な大衆娯楽として認知されるか、手応えを得られず規模が縮小してさらにニッチなジャンルになるか、という大きな分岐点に立っているということになります。
重要ですよ、今度の地上波特番は…!

テレビ番組としての選手の露出
また、テレビ局が運営の柱になることで、今後は興行以上にメディアやネット配信への露出が増えていくでしょう。
プロレスラーが地上波のバラエティ番組やトーク番組へ出演することも多くなると思われます。
そんなときに、地上波特番で成果があれば「アスリート」として扱われるでしょう。逆に奮わなければ「バラエティ罰ゲーム執行要員」での起用ケースが増えるという、プロレスファンからすればもやもやする扱われ方になるかもしれません。
そして、もしプライム帯で成功したときは、ついにゴールデンタイムでの生中継なんて夢が実現するかもしれません。
もちろんとても嬉しいことですが、そこは視聴率が一番のテレビ局。ただ試合を中継するだけでなく、番組にバラエティ要素を入れたり、プロレスとは無関係の不思議な人選のゲストが出てきたり、リング上で宣伝や告知につながるパフォーマンスが繰り広げられるなど、バラエティ色が強化される可能性も覚悟しておくべきです。

本来のプロレスは届いているか
そして、現在はビッグマッチの主要カードだけが特番としてプライム帯の全国地上波放送されています。これも影響がありそうです。
プロレスの特性上、単発で見せなければいけない大会だと、バッドエンドは避けられるでしょう。毎回結果がハッピーエンドになることが絶対条件になるのも、テレビ番組制作という面からすれば当然の判断です。
ですが、果たしてそれは私たちが普段触れている正しいプロレスなんでしょうか。それで今のプロレスを世間に届けられているのでしょうか。
プロレスは線なんです。大きく太い点ばかりだと、その回しか見ない一般層には「前もこんなだった」「マンネリ」と感じさせることが多くなり、プロレス本来の大事なストーリー部分が薄れてしまいます。特番は嬉しいですが、こればかりだと望んでいないプロレスの伝わり方になってしまいます。

先に続くために今を見せる
と、プライム帯での全国地上波特番放送についての不安な点ばかり述べてしまいました。
なぜ不安だけ言うのか、もっとポジティブになれないのか、と言われても仕方ないです。
ただ、私が本当に望んでいるもの、それは、プロレス中継の「全国地上波レギュラー番組化」なのです。
毎週見やすい時間帯で、多くの試合やストーリーやインタビューを一般の人たちに届けないと、プロレスの面白さは完全に伝わらないんです。逆を言えば、それができればプロレス本来の面白みは絶対に伝わります。
もちろん今年の地上波特番での反応は大事ですが、テレビ朝日の今後の策略として、「全国地上波レギュラー番組化」は念頭に置いてないといけない、一番大事な部分は「今を見せる」ではなく「先へ続かせる」こと、だと私は思っています。

今回のまとめ。
プライム帯の特番、ありがたい!
でも、願わくば
その時間帯の全国地上波レギュラー放送が欲しい!
現代のプロレスは能動的に見ていくジャンルです。
誰にでも届けさせる地上波特番という受動的な形式でプロレスは変わっていくのでしょうか。
多くの目に触れられる環境は長年待ち望んだとても喜ばしい状況ですが、毎週のレギュラー番組ではないとストーリーが単発になってしまったり、競技性への非難や昔は良かったというアンチが湧いたりすると思います。既存のファンからも「プロレスはニッチなままがいい」という意見が多くなるのも悔しいです。
全国地上波レギュラー番組という先を目指して、地上波をうまく活かした認知力拡大の施策も組み込み、テレビ朝日と新日本プロレスのタッグで日本のプロレス界を大きく広める。これに期待しています!
では、またここで。


