天山広吉は猛牛か、超人か、人間か、の話

コラム

現在、全国各地の会場で公式戦開催中の新日本プロレス「G1 CLIMAX」。その最終日、優勝決定戦の舞台はG1といえばこの会場というべき両国国技館。そして今年も最終戦の前日にも両国国技館大会が開催されるのは例年通り。
なのですが、今年はこの最終戦前日大会のチケットが先に「全席完売」になるという例年にはない現象が起こりました。
なぜなのか。
そうです、その日は「天山広吉引退試合」が行われるからです。
今回は、引退する「天山広吉選手が愛される理由」についてのお話です。

気になる存在、天山広吉

IWGP王者やG1 CLIMAX覇者として、新日本プロレスのリングで数々の栄光を築いてきた「猛牛」こと天山広吉選手。
長年にわたりトップ戦線で活躍し、幾度となく栄冠を掴んできた歴史に残るプロレスラーですが、彼がプロレスファンから熱狂的かつ親温かみのある愛を注がれ続ける理由は、単なる実績や強さだけではありません。
天山選手が愛される最大の理由は、その生き様から滲み出る圧倒的な「人間味」と「泥臭さ」にあります。
狼群団、nWo JAPAN、TEAM 2000、GBHなどのヒールユニットで暴れまわっていた時代であっても、どこかあふれ出る人の良さや愛嬌は隠しきれませんでした。猛牛でありヒールであっても「気になる存在」として心を掴んで離さなかったその根底には、プロレスラーとしての誠実さがあったからです。

不器用で愚直な天山広吉

また、試合運びにおける「不器用さ」と「真っ直ぐさ」も彼の魅力を語る上で欠かせません。
天山選手のファイトスタイルは、派手な大技や空中殺法、群を抜いたテクニックではなく、痛みが伝わる泥臭い技と感情表現が印象的です。
相手の攻撃を正面から受け止める姿。
得意のモンゴリアンチョップで愚直に応戦する姿。
首の怪我により一時は復帰も困難と言われていたそのボロボロの体で、どんな場面でも挑戦を諦めず、歯をくいしばって立ち上がる姿。
幾度もの重傷やアクシデントに見舞われながらも、這い上がる姿。
満身創痍の体を引きずりながらリングに向かう姿。
それらが観客の感情を激しく揺さぶり、人生やうまくいかない日常を重ね合わせ、彼がピンチになると、会場全体から自然と「テンザン!」コールが巻き起こります。
そして、それ以上に「頼むから立ってくれ」「無事にリングを降りてくれ」と、身内のように感情移入してしまうのです。

かっこ良さを超えたかっこ良さ

天山選手は「人間」です。
よく「プロレスラーは超人」と言われますが、天山広吉選手は最後の最後までリング上で一切の嘘をつかない泥臭い「人間」の生き方を貫いてくれたのです。だからファンも応援したくなり、その先には「テンザン愛」が生まれます。
どんなにキャリアを重ねても驕らず、ファンサービスを怠らず、リング上では愚直に身体を張り続ける。
かっこいいヒーローとはまた違う、間的な温かみと超人的な不屈の精神を持っている天山広吉というプロレスラー。これが時代を超えてプロレスファンから愛され続ける理由ではないでしょうか。

今回のまとめ。

人間臭くて超人的
天山広吉は“ジェロニモ”である

最後の「テンザン!」コール

2026年8月15日。思い出がいっぱい詰まった両国国技館で聞こえるであろう、35年間の想いと熱さを乗せた最後の「テンザン!」コール
時代のゴールが目視できることの感慨深さと寂しさと感謝は多くの人に見てもらいたいシーンです。
オッケー!カマーン!

では、またここで。

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