仰天と喝采の「大岩vs上村」、の話

コラム

その試合はあまりにも衝撃的でした。
数日が経ち、多くの場で擦られてきたから別の話題を…と思っても、どうしてもこの試合だけは避けて通れず書いておきたくなる、そんな見事な試合でした。
ということで今回は、8.16 両国国技館で行われた新日本プロレスG1 CLIMAX 36 優勝決定戦大岩陵平vs上村優也」についてのお話です。

ベストバウトの修飾語

今、改めて試合の内容に触れる必要はないでしょう。テキスト化したら相当少ない文字数で納まるシンプルな攻防で構築された試合。でも、最高の試合。今年のベストバウトはこの試合でもう確定かもしれません。
ここでは個人的に感じた点を挙げていきます。
この試合を評して出てくる単語は「温故知新」「ニュースタンダード」「クラシカル」「プロフェッショナルレスリング」「テクニック」「意地っ張り」「アンチテーゼ」「原点回帰」「説得力」というものでしょうか。
そして、すべての言葉が「素晴らしかった」に辿り着きます。
もちろん私も、素晴らしい!と感じたのですが、この試合を上記の単語で表現できるかといえば「ひとつの言葉や枠組みにはめられない試合」と感じました。シチュエーションや両選手のこれまでのキャリアもありますし。

大きな舞台でも出せる自信

新日本プロレスだけでなく、大小さまざまな団体でこのようなスタイルの試合を得意とする選手は少ないながらも存在します。このような試合が見られることもなくはないです。
今回のこの試合で何が衝撃的だったのか。新日本プロレス生え抜きキャリア5年と8年の選手がG1 CLIMAX優勝決定戦という注目される大舞台で自分のスタイルを貫き通したことがとんでもないのです。
このチャレンジを「温故知新」「クラシカル」だけで表現してしまうと、選手がやりたいことをやっただけっぽくなり、あまりにもおこがましく感じます。
これ、かなりのチャレンジですよ。逆の言い方をすれば、この舞台でこのスタイルの試合を見せたい、という「自分のプロレス」への覚悟と自信が相当あるんだな、まっすぐだな、と。
だからといって決して実験的で異色な試合にならず、この優勝決定戦に向けて両選手とも6月から自分のスキルアップという種を撒き続け、結果として因縁も前哨戦もない「大岩陵平vs上村優也」というカードに黄金の色が付いたのです。

最上級に美しい「地味」

先ほど、うまく表現できる言葉が見つからない、と書きましたが、実はひとつだけ当てはまるものがあって。
それは「地味なプロレス」です。
言葉の響きだとネガティブなイメージですが、地味なプロレスで両国国技館を熱狂させた、大きな称賛を得た、ファンを納得させた、新しいスタイルだと言われた、これってとんでもないことじゃないですか。
そんなとんでもない試合、そんなとんでもない35分10秒を見られたのですから、今でも余韻がとんでもないのです。

スタイルを貫く戦い

では、この大岩.vs上村に代表されるプロレスが世間的にも会社的にも「ニュースタンダード」という形で新日本や今後の日本のプロレスの主流になるのか、といえば、答えは「ノー」でしょう。
このスタイルはこれまでも実践されていましたし、ハイスピードやアスリート的なプロレスが目立つ現代だからこそ印象が強烈だったのです。
また、このスタイルは人(選手)を選びます。誰もがやって同じような評価は出ないです。その選手に合った、その選手に相応しいプロレスのぶつかり合いが正しいプロレスの形です。
今回はG1優勝決定戦という派手な舞台で、スタイルが疎通している選手による「地味なプロレス」が強烈に映えた、というひとつの成果ですから。
ニュースタンダードだらけではつまらなくなる、というのはプロレスラー全員が意識しているはずです。なので、今後はどんなものにせよ自分のスタイルを貫く姿勢がさらに注目を浴び、支持される一番の理由になっていく時代に突入すると思われます。

今回のまとめ。

エルボーの打ち合いも場外戦もないプロレス
それが、現代に求められていた新鮮なプロレス
だった

余談になるんですが、G1 CLIMAX36で優勝した大岩陵平選手と、ちいかわの古本屋さんがダブって見えるんです。
グレーの子からカニのカチューシャをつけて色も表情もあるキャラになった古本屋さん
モブと挑発されてたけどマウンテンホーンをつけて夏男という主役なった大岩陵平
となると、モモンガは、Yuto-Iceなのか?

では、またここで。

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