中堅だってイチオシたい!の話

コラム

1月15日に発売された「週刊プロレス(2025/1/29号 No.2338)」に2025年 イチオシ選手という特集が掲載されています。これは各団体担当記者がそれぞれイチオシの選手を選出し誌面で紹介する、という新春恒例の企画です。各団体期待の選手が今年の意気込みを語る内容で、謂わば「今年飛躍する注目株」の推薦状のようなものです。

企画内容から、キャリアの短い、年齢の若い、いわゆる若手といわれる選手がピックアップされるのですが、ちょっと待ってください。期待するのは若い選手だけですか?中堅やベテランは取り上げられないのですか?一度ブレイクしたし、もうここに出るランクじゃないでしょ、という気遣いですか?期待は若さがないとだめですか?ならば、期待じゃなくて希望はどうですか?

ということで、前回の「週刊プロレス」の記事の流れも受けて、「主観プロレス」選出の「2025年 改めて期待という希望を込めるイチオシ中堅選手」を団体ごとに紹介していきたいと思います。男女合わせて10団体10選手、期待と、それ以上の希望を込めて。(なお、文中の選手名は敬称略にさせていただきますのでご了承ください。)

新日本プロレス

YOSHI-HASHI (17年目)
毘沙門として新日本タッグの歴史に名を残したが、シングルでの王座戴冠は未だ実現せず。タッグリーグ四連覇が適わなかったことと、パートナーの後藤がIWGP世界ヘビーに挑戦決定したことで、逆にシングルプレイヤーとしての意欲が向上するタイミングかと。G1の再出場はもちろん、今も根強い「YOSHI-HASHI 待望論」に結果で答えを出してほしい。

全日本プロレス

MUSASHI (15年目)
みちのく退団から全日本所属という大きな変化後初の世界ジュニア挑戦が1.26に決定したので、まずはここでベルトを奪取し、MUSASHIが作る新しい全日本ジュニアの風景を見せる機会を得たい。キャリア10年未満の選手だけに話題を奪われてしまえば新鮮さ関わらず端に追いやられてしまう個性の強い団体内でどれだけ「まとも」感で自己主張できるか。

プロレスリング・ノア

YO-HEY (17年目)
発信力と言葉の器用さは団体内トップクラス。ノア入団後もそのセンスと跳躍力のある技で常にジュニアの中心部分に位置しながらも、シングルのベルトにはなぜか縁がない。タッグとしての結果は充分残しているので、そろそろノアジュニア最強の座を手にしておかないと成長中の若い選手に先を越されてしまうおそれも。まずはタイトル挑戦の機会を。

DDTプロレスリング

ゴージャス松野 (23年目)
キャリアも存在感もスタイルもある意味超別格。今さら期待感で括る選手ではないが、プロレス活動とゴージャスナイトのゴールも見えてくる今だからこそ、生き様に注目したい。と選出した矢先に男色ディーノからの指名で1.26後楽園ホールでEXTREME王座の挑戦が電撃決定。自身の波乱万丈な人生と浅野さんの想いも背負ったこの一戦は今年を左右する。

DRAGON GATE

Kzy (19年目)
試合内容はもちろん、コンディションでもキャリアや年齢はただの数字であることを証明する頼りになる選手のひとり。世代交代が激しい団体内では次世代のサポート役に回る場面が多くなったが、観客の支持率は継続して高いまま。未達成のドリームゲート王者を目指し、自身が中心の世代交代の新たな高い壁になってほしい。

大日本プロレス

中之上靖文 (15年目)
パワー溢れた体格も維持し、体力の衰えも感じさせないのに、なぜか近年はタイトルに恵まれずメインでスポットライトを浴びることが減ってきたが、もし欲と本気を出したらファンの支持率も高いのではないだろうか。現在無敵状態の王者神谷からストロング王座を奪取できるのはこの選手、だと信じてる。絶賛、自己主張の待機中。

STARDOM

朱里 (17年目)
一時は最強王者に君臨していた団体内の強さの象徴が、ここ数年は善戦止まり。これだけの経験がある選手に善戦だなんて言葉は似合わない。実績があってもシングル王座獲得から遠退いていることに団体の選手層の厚さを感じるが、ユニットのリーダーだけで落ち着いてはいけない選手だと思う。キラーモードをどの試合で出すかがポイント。

マリーゴールド

MIRAI (6年目)
幾多の団体からの集合体で出来上がったマリーゴールドの中では、キャリアは上の方だが年齢は下の方というやや難しいポジションなのが気懸かりだが、周りに遠慮せず自分が一番輝くようなプロレスがまだ可能なキャリアなのは間違いない。自分こそが団体の中心、という欲張りさが表に出て輝いてくれれば、きっとチームも輝くだろう。

チョコプロ

バリヤン・アッキ (10年目)
日本で活躍するインド出身プロレスラー、という肩書でデビュー10年。今では物珍しさよりも他団体出場もあって認知度の方が上回る。チョコプロ以外の国内団体のリングやアメリカでの試合も年々増えており、経験値も急上昇。今年はさらなる活動の幅の拡張と、男子他団体でのタイトルという勲章を得られる絶好のタイミングに思われる。

AEW

ジェイ・ホワイト (12年目)
大物揃いの団体でタイトルホルダーになることはたやすくないのは承知の上だが、これほど実力のある選手が団体管轄の王座に就いていないことが不思議でしかない。他の出身レスラーと比べて良い意味で新日本らしさを感じさせないのは大きな武器になるはずなので、今年こそは歓声を浴びるチャンピオンとして中心に躍り出てほしい。

期待と希望が交わると

以上です。

今回のまとめ。

新世代には期待を込めて
中堅ベテランには希望を託す

期待と希望でプロレスは栄える

昨年あたりからどの団体も新世代の躍進が激しく、中堅選手たちが主役になるチャンスが少なくなっているのも事実です。また、スター選手やその候補選手がひとつの団体に多く存在するので、どんな選手でもいつかは必ずトップになれるかと言えばそうでもなく、ましてや一度頂点に近付いた選手の返り咲きは難しいのが現状のプロレス界です。
ですが、何が起こってもおかしくないのがプロレス界
そして、何が起こるのかわからないもプロレス界
決してキャリアだけで勝負する競技ではないとはいえ、キャリアを積んだからこそ感情移入できるドラマがプロレスにはあるのです。
叶わないからこその美しさもありますが、このキャリアで華が咲く瞬間も別の美しさがあります。
プロレスは誰もがいつでも主役になれるのですから。
さーて、今年はどれだけ美しい場面が見られるでしょうか。

では、またここで。

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