5月の大型連休も明け、世間は休みなんてなかったかのように平常運転です。
連休中は休刊していた週刊誌などの出版物も、今は通常のサイクルで販売され、店頭に並んでいます。
私の愛読書、兼、必需品である「週刊プロレス」も同様で、5月13日の水曜日、2週間ぶりに最新号が発売されました。
ですが、その号の表紙がプロレスファンや一部選手の中で波紋を呼んでいるのです。
今回は、その週刊プロレス5月27日号(No.2410)の表紙論争から感じた「週プロの表紙になることの意味」について考えてみました。

週プロ表紙が生んだ物議
まずは議論を引き起こした週刊プロレス(週プロ)最新号について。
画像は掲載できませんが、その号はGW編成で2週間ぶりの発売で、GW期間中もあって興行数も注目の試合もかなり多い期間でした。
週プロも大きな特集記事やインタビューは組まず、誌面のほとんどを大会や試合レポートに充てており、表紙には「26団体40大会超の激闘掲載」というコピーが載っていました。
大型連休中に行われた試合で印象的だったり注目度が高かった場面は多々あったのですが、そんな中で表紙の顔として選ばれたのは、IWGP GLOBALヘビー級王座から陥落した3日後にIWGPヘビー級王者に勝って同選手権の挑戦権を得た、新日本プロレスの辻陽太選手でした。
ここで多くのファンが「?」になったのです。
こんなに多くの大会や試合がある中で、表紙になったのがタイトルマッチで負けた選手?ほかに表紙にすべき選手はたくさんいたのに?
前日の告知で表紙写真を見たプロレスファンが「数ある中で、この団体?この大会?この試合?」「他の団体の試合でもっといい試合や絵になるシーンはあっただろう」「この週一番のニュースは他にある」「新日本への忖度?」とSNSへ書き込み、それに関して一部の選手から「ハイライトは他にあった」や「専門誌の表紙になることがすべての価値観ではない」という持論も飛び交うという、おとなしめだった近年にしては珍しい「週プロ表紙論争」が起こったのです。

飾りたいには訳がある
そもそも、週プロの表紙ってどこまでファンや売り上げに影響力があって、どれくらいの選手がそれを求めたり目指したりしてるのでしょうか。週プロ表紙の重要性とは。
週プロの表紙に選手自身が載ることが嬉しく思える。それは当然の感情です。だって自分の努力が具現化されたのだし、その週の象徴としてコンビニなどの店頭に自分の顔が並ぶのですから。
90年代のターザン山本編集長時代に表紙になることはかなり大きなメリットとされていました。表紙の人選もかなり尖ったものばかりでしたし。現代は紙媒体自体が衰退化し、プロレス界にも大きな影響を及ぼさない「プロレスの専門誌」という場所になっている週プロ、90年代と比べて影響力は衰えているはずです。
そんなプロレス界も世の中の環境も大きく変化した現代であっても、「表紙はこれでいいのか」という議論が出るということは、ファンにとっても選手にとっても、今もなお週プロの表紙はとても大きな「勲章」であることに変わりないことなんだな、と思えました。

変わらない週プロという場所
雑誌業界全体で発行部数が減少し、書店やコンビニがあっても必ず置いているとは限らない、目に入る機会も少なくなっていきている特定ジャンル専門誌の週刊プロレス。
影響力は変われど、ファンや選手にとっての「評価の表れが見える場所」という認識は変わらないのです。
プロレスラーという職業は、自分が中心に、一番に、主役になりたい選手が多いです。何より、自分のしていることや試合が評価されることは喜びであり活力源です。
現代はそれがSNSへの書き込みで目に見え、モチベーションにも発奮材料にもなるのですが、自身がキャリアをスタートさせる前からあった出版物の「週刊プロレス」に、しかも一番目立つ場所に掲載される、表紙になる喜びには代えがたいものがあるのでしょう。
ファンも応援している選手が大きく専門誌に取り上げられるのは嬉しいことです。SNSでつながり、文字や写真を見ることができるファン同士の気持ちの共有とは異なる充実感を得られます。
選手でもファンでも週プロの表紙になったことで得られるもの。それこそが肯定感であり自信であり後押しです。
そういう場所が昔も今もプロレス界にはあって、それが週刊プロレスなんだということ、大事な場所であることの証明が、今回の議論の根底にあったと思います。
専門誌、まだまだ大丈夫!と、ある意味安心できました。

新編集長による引率術
2026年4月15日発売の号から、週プロの編集長が10代目の井上編集長にが変わりました。
新任されてまだ4号目。どんな誌面内容、どんな表紙のセンス、それを打ち出していく初期段階で巻き起こった表紙選考による物議。逆に井上新編集長からしたら「してやったり」なのかもしれません。むしろ、そうでしょう。
これまでの新編集長による4冊の表紙を見ると、その選手その団体のファンに届けるのか、あらゆるプロレスファンに届けるのか、プロレスの外側に届くようにするのか、それがだんだん明確になってきている気がします。
井上新編集長時代の新・週刊プロレス。今回の波紋でさらに楽しみになりました。
今回のまとめ。
内側への専門誌の表紙
外側への専門誌の表紙
出てきてほしい
どちら側も納得できる存在感の選手

さーて、次号の週刊プロレスは?
次週の予告には「全日本プロレスを特写グラビアで大特集」と書かれています。
おそらく、チャンピオンカーニバル優勝決定戦が行われる5.17大田区大会と併せての「まるごと全日本特集号」になるのでしょう。
ここで気になる大きな点は「次週の表紙が誰なのか」ということです。
カーニバル優勝選手なのか。
「バチェロレッテ」で大注目されている安齊勇馬選手なのか。
それとも特写選手の集合写真なのか。
次週の表紙はさらに、新編集長の意思を強く感じられそうです。
では、またここで。


