今週末からいよいよプロレス界も年末年始の興行ラッシュに突入です。
昨年は期間中の気になる大会と気になる隠れ注目試合を紹介しました(こちら)が、今年は4つの団体と大会に絞り、そこで組まれている主要タイトルマッチについて、のお話です。
あらゆる媒体で取り上げる試合ですが、私的な視点で掘り下げます。(文中の選手名は敬称略にさせていただきます)

四大決戦の背景と予想
12.29(月)STARDOM/両国国技館
ワールド・オブ・スターダム選手権試合
《王者》上谷沙弥
vs.
《挑戦者》安納サオリ
2025年プロレス大賞MVPと女子プロレス大賞の二冠獲得という快挙を成し遂げた今や絶対王者感のイメージが強い上谷だが、この年間最大の舞台で過去に大きな因縁のない安納とタイトル戦というのはもしかしたらプレッシャーになるかも。一方で挑戦者の安納はキャリアも背負ってきたのもの関係なく、今の自分の全部を解放して王者にぶつければ良いので実は挑戦者が優位、に見えそうなのだが、中心が簡単に負けられない、ドームでもタイトル戦が控えている、まだ戦うべき挑戦者が待っている、という責任感すらしっかり持ち上げられる存在になった今の上谷はイメージ以上に強い。
勝者:上谷沙弥
12.31(水)全日本プロレス/国立代々木競技場 第二体育館
三冠ヘビー級選手権試合
《王者》宮原健斗
vs.
《挑戦者》安齊勇馬
2025年に三冠王者に返り咲いた宮原が全日本の大黒柱として新世代である安齊の挑戦をどう退けるか、というのはあくまで宮原目線の話。自分的には視点が安齊の方に傾いてしまう。24歳10ヶ月キャリア1年7ヶ月での初戴冠以来遠ざかっている三冠王者の座をここで掴んで、あの時できなかった王者としての存在感をここで見せつけないと2026年の全日本で主役になれることはもうないと言っても過言ではない。もちろんまだ宮原復活政権を見たい!というファンが多い状況だが、安齊が前回王者時代には出せなかった強い王者像を築いて新しい挑戦者を迎え撃つシチュエーションが必要であると感じる。
勝者:安齊勇馬
1.1(祝)プロレスリング・ノア/日本武道館
GHCヘビー級選手権試合
《王者》Yoshiki Inamura
vs.
《挑戦者》OZAWA
急遽復帰戦となった12.23後楽園で見たOZAWAはさらに黒く輝いていた。特にフィニッシュのReal Rebel、欠場を経たそれは過去イチの美しさに加えスピードによる威力もが増していて、この選手が中心となって回っていくノアじゃないと面白くないと思わせるのに充分過ぎるほどの一撃。Inamuraもここで簡単にベルトを落としたくはないが、それよりもOZAWAが再戴冠してほしい、と願ってしまうインパクト。会場の大きなOZAWAコールは、復帰したことのご祝儀ではなくこの人が真ん中じゃないと盛り上がらないという待望論に似た声に聞こえ、2026年のスタートはOZAWA復活祭になる予感がした。
勝者:OZAWA
1.4(日)新日本プロレス/東京ドーム
IWGP世界ヘビー級&IWGP GLOBALヘビー級ダブル選手権試合
《IWGP世界ヘビー級王者》KONOSUKE TAKESHITA
vs.
《IWGP GLOBALヘビー級王者》辻陽太
2本のベルトが賭けられた現在の新日本の頂上決戦が超満員札止め確定の東京ドームで実現。新日本がこの状況とこの大会でダブルタイトル戦を組んできた意味を両選手はしっかり理解しているはず。試合内容の安定感は過去の2戦だけでも折り紙付きだが、東京ドームの魔法にふたりのペースが乱されないかが心配でもある。前哨戦が一切組まれなかったことを逆に活かして東京ドームに足を運んだお客さんに棚橋引退後も新日本プロレスは大丈夫、どころか期待大、と思わせてほしい。勝敗予想はかなり難しいが、辻の豪快さが広大な会場全体に伝われば良いが、大舞台慣れしているTAKESHITAがやや有利な印象。
勝者:KONOSUKE TAKESHITA

四大決戦に期待すること
毎年この時期は各団体のビッグマッチが目白押しで、各会場が大賑わいになるのですが、今年の各団体のタイトルマッチを見ると2025年の総決算という感じが特に強く感じます。
棚橋弘至引退試合という大きな大きな節目があることで、団体も選手もファンも意識しなくたってプロレス界は新しいフェーズに突入します。新日本に限らずどの団体も現時点での最高の試合を見せて、一気に先頭に躍り出てやろうという目論見もあるでしょうし、それよりなにより「プロレス大丈夫!」と思わせないといけませんから、2025年末から2026年初頭の各団体の仕掛けや奮起には猛烈な期待をしています。

新たな景色で変わらない高揚感を
不安もありますよ、そりゃ。
超満員の東京ドーム大会が実現するのは当然嬉しい!けど、その反動、比較、大きな存在を失ったロス感、それらを考えると不安が浮かんでくるんですよ、正直。
だからこそ、それを払拭させてくれる、杞憂だったと思わせてくれる、そんな大会や試合が連発することを願っています!
プロレスで生まれた不安は、プロレスで取り除く。
これは古くからの教えです。
では、またここで。


