時間がない。でもしっかり食べたい。そんなときにチョイスする食事は決まって「丼もの」です。
種類は多数。量もしっかり。チェーン店も豊富。使う食器もひとつだけ。手軽で楽ちん。丼ものは日本食の中でもしっかりと庶民の食生活に根付いた立派な文化ですね。
そんなこんなで今夜も某牛丼チェーン店でおろしポン酢牛めしをもりもりと食べていたのですが、ん?丼ものって、プロレスと似てないか…?丼って、プロレスじゃないか…!とふと気付き、箸を止めて考えてみたのです。
ということで、今回は「プロレスと丼ものの関係性や共通点」についてのお話です。

丼というリングに多数のスタイル
以前ここで「プロレスは麺類」という記事を書きました。が、プロレスは丼ものでもあるのです。
丼がひとつのリングだとしましょう。その中にはひと種類の食材だけでなく、味も色も形も食感も異なるあらゆる具材が凝縮されています。
素材そのままのもの。揚がった状態のもの。焼かれているもの。煮込まれたもの。ミックスされたもの。大きなもの。小ぶりのもの。あらゆる状態であらゆる食材がリングである丼の中に収められます。
そして、そのリングで行われる戦いのスタイルが丼の違いだとすると、その方向性は多種多様。全方位に広がる可能性が魅力です。
この食材はこの丼だと主役になるが、他の丼だとまったく存在感がなくなる。この調理方法ではここの丼で調和しない。などと、丼ものによってベストな素材の活かし方や調理方法が異なるため、ひと括りに丼ものといっても好みもそのとき食べたいものも変わります。麺類と同じで「丼が食べたい」ではなく「〇〇丼が食べたいんだよ!」に食欲が傾くのです。

各プロレス団体はどんな丼?
麺類と同じ、と書きましたが、であれば前回同様、主要プロレス団体を各種丼ものに喩えてみたら良いですね。早速発表しましょう。

新日本プロレス/カツ丼
定番であり最高峰。迷ったらこれを食べれば間違いなし。最近は卵だけでなくソースだけのスピンオフも。
全日本プロレス/鰻丼
老舗丼であり昔から基本が変わらぬ味で食欲をそそる。スタミナ回復もできる味が濃い目の骨のある一杯。
プロレスリング・ノア/海鮮丼
あらゆるエッセンスが取り入れられ、様々な素材が一度に楽しめる色鮮やかな丼。高級と格安の幅も広い。
DDTプロレスリング/天丼
基本的な素材も、変わり種の素材も、衣をつけて揚げてしまえば全部この味に。仕上げのタレが味の決め手。
DRAGON GATE/牛丼
庶民の味方のような親近感のあるわかりやすい丼なので、老若男女問わず楽しめる。トッピングも自由自在。
STARDOM/親子丼
とろふわ卵、やわらか鶏肉、味しみ玉ねぎ、やさしい食感。でも煮込み方は簡単ではない。奥深さも美しさも。
FREEDOMS/麻婆丼
ピリ辛から激辛まで、しびれの度合いや豆腐の熱さもお店によりけり。大汗かいても食べたくなる中毒性あり。
WWE/ローストビーフ丼
丼界の派手さNo.1。見た目だけじゃなく具材である肉の上質さが重要で、味付けよりもそれ次第で評価が変わる。

丼と具材と白米とプロレス
と、プロレスが丼と通じる理由を書いてきましたが、一番の共通点は「派手で豪快な盛り付けが重要」という部分です。
丼というリングは調理方法や素材の自己表現の場。であれば、丼という名に恥じぬよう、ド派手に、豪快に、枠からはみ出るようなオーバーアクションで、観客の高揚感を駆り立ててほしいですね。
そしてもうひとつ。どの種類の丼も「炊いた白米と一緒に食べる」ということ。
丼の種類が団体、具材がプロレスラー、であれば、白米はどの丼でもどの具材でも必要不可欠なプロレスの基礎、すなわち「強さ」です。
具材のインパクトや、調理のオリジナリティ。これでそれぞれの丼が自立してひとつのジャンルになっているのは、白米があるからこそです。そして、白米という強さがしっかりしていないとどんな丼ものでもその良さが活かされません。
丼ものというのは白米をおいしく簡単に食べるための手段。プロレスに言い換えると、強さを分かりやすく明確に見せるための伝え方です。

今回のまとめ。
具材と米を一気に豪快にかき込む!うまい!
これが丼、そしてプロレスの正しい味わい方

これだけ丼について書いていたら、丼ものが食べたくなってきました。
さっき食べたばかりなのに。
そして、これだけプロレスのこと書いてたら、プロレスが見たくなってきました。
さっき配信で見たばかりなのに。
丼もプロレスも身近な存在で良かった!
では、またここで。

