もうじき春ですね。
たくさんの観光客で賑やかな現代の日本。暖かで活発的な春になれば、今以上に観光地には人が訪れるでしょう。
日本の観光地として有名なのが「日本三景」と呼ばれる名勝地。松島(宮城県)、天橋立(京都府)、宮島(広島県)がそれにあたります。
これらの景観は芸術的で、写真ではなくこの目で一度は見ておきたい。そんな美しさも歴史もある観光地は、常に多くの人が集まる名所です。
プロレスにもそれに該当する景色があります。「プロレス三景」です。
写真や映像ではなく、生で見るべき風景。プロレスへの興味、関心度、そして自分の人生観すら大きく変えるプロレスでしか見ることができない景色。日本が誇るプロレスの光景。それが「プロレス三景」です。私は勝手にそう呼んでいます。
そこで今回は、私が選んだ「プロレス三景」をご紹介。というお話です。

私選、一度は生で見てほしい!プロレス三景
東京ドーム大会の入場ゲート(2階席上段から)

主に見られる場所は、毎年1月4日、東京都の東京ドーム。今は年に一度しか見る機会がないですが、新日本プロレス年間最大大会での豪華な演出とゲートは必見の価値ありです。
その光景を見るのにお勧めなのは2階席上段のスタンドB席。選手がかなり小さく見えるため試合の迫力は伝わりにくいですが、東京ドームという国内最大の会場での演出を全体的に眺望できます。
光が交差するゲートや大音量のテーマ曲、そしてド派手な演出での選手入場はまさに「壮観」 。ここを歩いて入場する選手はさぞかし気持ちいいことでしょう。
また、正式発表はまだですが、2026年の1.4東京ドーム大会は棚橋弘至引退試合が行われます。
あの花道を歩くエースの姿が見られるのはその日が最後。この風景だけは絶対にこの目で見て焼き付けておかないといけません。そう思う人がひとりでも多く東京ドームに足を運び、2階席の上段まで埋まったスタンド席という壮観な光景が実現したら、それは新しいプロレス三景のひとつになります。
最高の光景は選手や団体が作るだけじゃなく、我々ファンでも作ることができるのです。

ガラスボードデスマッチ

主に見られる場所は、東京や大阪など主要都市でのデスマッチ団体の興行。これは試合中に突然出すアイテムではないので、事前のカード発表を確認してください。
デスマッチアイテムは多数ありますが、このガラスボードは絵面も音も光も歓声も、使う選手も受ける選手も、その瞬間のすべてが印象に残るものです。
クラッシュの瞬間に大きな破壊音とともに放射線状に広がるガラス。そのあとも血に染まり赤く光るガラスの破片。実際に見ていただければ感じるのですが、そこには衝撃や凄惨だけでなく「美」があるのです。
そんな花火のように儚い一瞬の美しさのために、選手は血を流し全力で闘います。ガラスボードという透き通った板から見えるのは、選手の命懸けの覚悟です。
頻繁に実現する試合形式ではないですが、もしガラスボードデスマッチを見られるチャンスがあれば、ぜひ一度その美しさを目の当たりにしてください。近々では、3.10後楽園ホールの「CRAZY FEST」メインで「蛍光灯&ガラスボード+“X”TREMEデスマッチ」という狂った試合が実現します。

アンドレザ・ジャイアントパンダ

主に見られる場所は、北海道根室市ですが、最近は所属の新根室プロレスの大会が開催されず。不定期ながら首都圏などで試合やイベントが組まれるので、輸送…いや、移動の問題がなければ全国どこへでも参戦可能と思います。
この選手を写真や動画では見たことがある人はかなり多いでしょう。初登場時から話題性もインパクトも抜群です。
身長300cm、体重500kgのプロレスラー。その名の通り、でっけえパンダ、です。
もちろん写真だけでも大きさや迫力は伝わってくるのですが、会場で実際に見てみると、想像以上。「かわいい!」より「でかっ!」「強っ!」という驚嘆ばかりが耳に入ります。
大きさ。表情。動き。ときには萎む体。その一挙手一投足で夢中にさせる、存在感を絵に描いたような選手。着ぐるみのキャラクターかと錯覚してしまいそうになります。
大きなパンダがプロレスのリングに立っている、その光景こそがまさに「非日常」の極み。現時点で試合やイベントの予定がないのが残念ですが、その神出鬼没さが生で目撃することのレア感を増幅させます。

「壮観」「美」「非日常」
以上が私のプロレス三景です。
「壮観」「美」「非日常」。
どれもプロレスならでは、そしてプロレスに必要なものたち。ぜひ一度は生で見てほしい…!
ただ、これはあくまで私が選んだ三景。これ以上の景色があるという言葉も、新しい三景もあるでしょう。それで良いのです!
プロレスの名場面や絶景は十人十色、その時々。それぞれの、そのときの三景を見つけてみてください。

今回のまとめ。
その人、そのとき、それぞれの景色
プロレスは全シーンが絶景

ちなみに、これとは別に「プロレス世界遺産」ってのがありまして。メキシコシティの「アレナ・メヒコ」、ニューヨークの「マディソン・スクエア・ガーデン」、水道橋の「後楽園ホール」…あ、ユネスコがまったく認可していない独自判断のものですよ。
というか、そろそろプロレス関連の場所や建築物も世界遺産の認定をしてくださいよ、ユネスコさん。
世界遺産路上プロレス、やりましょうよ。
では、またここで。