プロレスとテレビの相性は良い、は1950年代、力道山の時代から証明されています。
街頭テレビに集まる群衆という光景は、誰もが見たことあると思います。
では、地上波のテレビというメディアがネットの動画配信やサブスクに押されて居場所を見失いかけている現代でもテレビとプロレスの相性や関係性は良いものなのでしょうか。
今回はそれを考えてみますよ。
テレビとの相性の良さ
結論から言ってしまうと、
テレビとプロレスの相性は、良いです。
昔も今もおそらく未来も。
断言できます。
あくまで世間一般の人から視点になりますが、
「つけたらやってたからつい見てしまった」くらいの手軽さ。
スポーツにも格闘技にもエンタメにも受け取れる幅の広さと良い意味での曖昧さ。
単純に人間がこんな動きやこんな技できるんだ!というインパクトの強さ。
1試合15分前後なのでCMが入れやすい区切り感。
昔から変わることない「良く知らないけど見ちゃった」に一番相応しいコンテンツだと思っています。
現在の地上波放送とネット配信
ところが2024年7月現在、地上波中継は新日本プロレスのみ。しかも土曜日の深夜1時から(関東地方)という決して好条件ではない放送形態。
ですが、いまでも手軽なメディアのテレビは影響力が大きく、いくら深夜の放送といってもプロレス知らない層からしたら「テレビで見たことある」は大きな認識なのです。
地方は特にその層が多いので、やっぱり地上波の力は現代でも絶大です。
一方で、有料であれ無料であれネット配信で自分の好きなものを見るという形態が主流で、実際成功も定着もしている現代。プロレスもコロナ禍をきっかけに各団体が各々の動画配信サービスを持ち、好きな人はそれで全国各地の試合をどこにいたってリアルタイムで追うことができるようになりました。
ただ、あくまで“好きな人は”の範疇なのです。
好きな人以外には届いてないのですから。
これからのプロレスは地上波のテレビ放送とネット配信、どちらに舵を切れば良いのでしょう…。
テレビなの?ネットなの?
私は「地上波の人気番組にプロレスラーをゲストで呼んだり、プロレスが盛り上がってるよという特集を番組で取り上げるなら、1試合でいいからプロレスの試合を良い時間帯に丸々放送してほしい!一度きりの特番でいいから地上波のゴールデンタイムでプロレスの中継をしてほしい!」の派閥でした。
数年前までは。テレビ絶対必要派。
その後、コロナ禍による開催自粛。再開後も集客制限や声援不可の異質な観戦環境。ようやく全部が解禁されるもコロナ前の集客まで思うように回復できない現状。
それらを考慮すると、いまはプロレスが好きな人、プロレスを支えてきてくれた人たちへ、もっと「プロレスって全部面白いんだよ」「たくさんの団体を見たら違いも感じられてさらに楽しいよ」という団体間の扉、全開放状態に近付けることが先だと思っています。
配信を利用し多角化を
いまの傾向として、プロレス界のあらゆる団体を広い目でチェックするより、自分が好きだったり応援している特定の団体や選手だけを追う固定的なファン層が多く、様々な団体を会場で観戦するという人はかなり稀なケースになってきています。普段触れない団体の会場への観戦はチケット代の高騰もあって敷居も高いです。
だったら、お試し的なネット配信での試合(大会)観戦があるじゃないですか!
これをフルに利用しない手はありません。
まずは動画配信で試合を見て、盛り上がってる団体や試合を感じてみようと会場に足を運ぶ。という流れが大切じゃないかと。
現存の固定的プロレスファンが閉塞感のある扉を開き、団体間を行き来して、パイの数は同じであってもプロレス界全体がもっと盛り上がって、プロレスへの愛情や誇りをさらに強く深くするのが重要。開放する扉は日本の団体に限らず、WWEやAEWなど海外の団体も含めて幅広くでOKです。
基本は有料会員向けのネット配信サービスが多いですが、どこの媒体も月に数回は無料配信をやってますし、YouTubeで定期的に大会まるごと配信してくれる団体もあります。
まずはプロレスファンの人、自分の推しの団体以外でもまずは無料配信を見てもらえたら「この選手気になる!」でも「この団体も面白い!」でも「やっぱり自分の好きな団体が一番!」でも何かしら伝わるはずなので、まずは無料配信を見てもらいたい!というのが私の願望。
そして、各団体はできるだけ動画配信サービスを活用してもらって、ライブ配信じゃなくても良いので最近の試合を多くのファンが手軽に見られるような施策を打ち出してほしい、というのが希望です。
テレビとはどう向き合うか
で、テレビ。
プロレスの内側だけでも熱が異常な温度になっていたら、世間は「もしかして、盛り上がってる?」と匂いを感じ、その代表でもあるテレビ局が勝手に取り上げてくれますよ。
「面白いよ」「盛り上がってるよ」とこちらからどれだけアピールしても「そうなんだ」「うん知ってる」で終わってしまうし、見たことないジャンルにお金も時間も消費できない時代なんです。世間が能動的に「人気あるんだね」になったら、取り上げる題材が少ないいまのテレビ制作陣が放っておくわけがありません。
現代はテレビ創世記の頃と違い、飛び抜けたスター選手が出てきたらジャンル全体が盛り上がる、ではないんです。大谷翔平選手があれだけ取り上げられても、MLBが日本で大人気!ってことじゃないのと同じです。
ジャンル全体がひとつのコマとして盛り上がるのがまず大切ですし、それができるだけの内容の充実さも選手の個性も揃っているのが現代のプロレス界なので、充分可能でしょう。
「相性の良いテレビは浅くても広く世の中に届けられる」のは間違いないですが、「プロレスが好きな人たちで深く、でも内側は広く」を目指せばジャンルの未来は明るくなる、そんな気がしてます。
ありがたい! もったいない!
今回のまとめ。
好きなものを見られる環境はありがたい。
好きなのに見ないはもったいない。
プロレスと名の付くもの、ぜーんぶ、面白い!ですよ。
ぜーんぶ見てきた私が自信を持ってお勧めします。
まずは無料動画配信から、ぜひ!
現代の街頭テレビ、それはネット無料動画配信です!
では、またここで。