外出中、向こうから歩いてくる人が自分の着ている服と同じ服、という偶然。なぜだか気まずくなったり、恥ずかしくて隠れたり、それ以降その服を着にくくなってしまったり。そんな経験ありませんか。
でも、もしその被った服が自分が好きなジャンルのグッズだったら。プロレスでいうと、自分が好きな選手関連のTシャツを着ている人を見かけたら。
フレンドリーに話しかける、まではしなくとも「仲間がいた!」と感じ、なんだかほっこり嬉しくなります。
試合観戦当日、会場への電車内やその周辺などでその団体のグッズを着用している人を見かけると、試合開始の前から「プロレスの熱!」という高揚感が湧き出てきます。その数が増えれば増えるほど盛り上がりを視覚で確認できる、それがグッズのパワーです。
今回は、プロレスグッズの効果と重要性について考えてみました、というお話です。
プロレスグッズあれこれ
長い歴史がある日本のプロレス界ですが、昔から変わらぬグッズ三大定番アイテムといえば「Tシャツ」「タオル」「キャップ(帽子)」。今でもこの3点はプロレスグッズの主流です。
パンフレットも定番でしたが、印刷のコスト高やスマホによるネットでの情報収集がメインとなったため発行する団体もかなり限られているのが現状です。
ここ数年で定番化したものは、応援時に使うペンライト、選手個々のアクリルスタンドキーホルダー、選手がモデルのぬいぐるみなどでしょうか。
珍しいものだと、ルービックキューブ、ペット用の服、コスチューム柄の下着、御守り、などなど、時代に合わせてグッズの種類もどんどん豊富になってきました。
昔はパンフレットとTシャツくらいしかなかったグッズ販売がなぜここまで拡大しているのか。ネット通販と宅配便が発達したのもありますが、それだけではありません。
プロレス団体がグッズ販売に力を注ぐ理由。それは、団体の活性化に繋がるから。簡単に言うと、必要不可欠な収入源だから、です。
グッズ販売に尽力する理由
大手団体以外ではチケット販売だけでは多くの利益が出ません。
そこで収益に直結する一番のプラスアルファとして、グッズの売り上げを重要視しています。
さらに今の時代だと所属外の他団体もしくはフリーの選手が多く参戦するケースが多く、それらの選手は売店で自身が出場する大会のチケットや自身のグッズを販売することでギャラ以外の収入を得ることをメリットともしています。中には、試合のギャラは無きに等しいがグッズ収入でその日の稼ぎを得る、というケースもあるらしいです。
団体側も、大会観戦来場者にグッズをより多く購入してほしい、とあらゆるアイデアや企画を打ち出して販促活動をしています。種類やデザインも見ているだけでも楽しくなるくらい豊富で、会場では試合前と試合後に多くのお客さんがグッズ売店に並んでいる光景も目に入ります。
また、団体によっては大会途中に休憩時間を設けて、その間もグッズ販売に充てています。
ファンがグッズを購入するメリット
では、ファンにとってグッズを購入することの目的や意味は何か。
何年かに一度の観戦で記念やおみやげ代わりに買うお客さんもいますが、頻繁に会場観戦する人にとっては決して安くはないチケット代に加えてグッズ代も…となるとかなりの出費になり、そう気軽に財布の紐を緩められません。
ですが、グッズの売り上げはどの団体も年々上昇していると聞きます。
ファンがグッズを買うメリット。それは3つありました。
選手と交流できる
まず、選手と交流できる権利を得られること。
会場の売店ではグッズ購入者へのサイン会や撮影会が開催されたり、選手のポートレート(A4サイズのブロマイド写真)を購入して直接サインをもらったりする機会があります。女性アイドルの握手会やチェキ会のようなものです。
現代のプロレス界においてグッズ購入は「選手と交流するためのパスポート」のようなものにもなっています。
好きな選手にアピールできる
そして、会場で好きな選手へ自分がファンだということを声援以外の外観でアピールできること。
選手はリング上から自分やユニットのグッズを着用しているお客さんが目に入るとやはり嬉しく感じ、大きな励みにもなるそうです。
サービス精神が盛んな選手だと、その方向へしっかり視線やポーズをくれたりもします。ファンにとってはグッズを通じて意思が伝わる、とても堪らない瞬間です。
相乗効果で盛り上がる
もうひとつは、全部が盛り上がるため。
あらゆる選手のグッズを着たり手に持ったりするお客さんで囲まれた会場は壮観です。
思い思いのグッズを着たり手に持ったりでファンとして楽しみつつ、その日の大会のムードも高めさせます。
試合やその団体を活性化させるために必要な演出は、選手だけでなくファンも生み出します。
拍手、声援、グッズ、笑顔。これらはすべて観客席からの応援という形で選手に伝わり、選手が奮い立ち、さらに観客席が盛り上がる。そう、相乗効果です。そのためのひとつのアイテムとしてグッズが存在しているのではないでしょうか。
また、グッズ売り場の賑わいはその団体やその大会の賑わいと比例しています。面白かったという興奮がグッズ購入という感謝のしるしに繋がっているのです。
グッズは物としても残りますし、単純に好きな選手のそれを着たり使ったりするだけで、普段から気分も上がります。
ただ単にTシャツがかっこいいから買ったけど、そのあとその選手が気になって本格的に応援し始めた、という逆パターンもあるでしょう。
やっぱりグッズはたくさん買いたい!
グッズ戦略はコストと売り上げのバランスや在庫の管理などがとても難しく、グッズ運営を担当している方々は頭を抱えることが多いかと思います。そんな環境でも売り上げをキープ、または上昇させるリサーチと発想力と先見性は素晴らしいとしか言えません。
好きなジャンルが、プロレスが、より身近なものと感じさせてくれるよう、これからもアイデアや企画力あふれた良い商品が販売されることを願っています!
今回のまとめ。
プロレス以外のどのジャンルもそうですが、
自分が好きなものが続いていくための応援と繁栄の具現化、
それがグッズを買うこと、身に着けること。
そのためには買わないといけませんね。
相乗効果、とても大事です。
ちなみに、私がグッズを買うときに重要視するのは、普段使いできるかどうか、です。何気ない外出時にも選手のTシャツを着用し、世間にプロレスをアピールをしながら街を闊歩しています。
そのかいもあって、先日、インバウンドの外国人観光客に着ていたTシャツを指され、フレンドリーに「Oh! ZACK SABRE Jr.!」と言われました。
どうですか!
プロレスグッズひとつで世界と交流ができるんですよ!
英語ができない私はあたふたして
「い、いえす、じーわんくらいまっくす、うぃなー、えへへへ(謎の微笑)」
だけで精一杯でしたが。ハイタッチのひとつくらいしなきゃだわ。
では、またここで。