台風10号が本州に上陸し、東京も連日大雨。そんな8月31日、私は日本を離れ台北にいました。
今年3月以来、5ヶ月という短いスパンでの再訪台。
そうです。今回の旅の目的のひとつ、それは「新台湾プロレスを観戦する!」なのです。
3月にはじめて台湾に来たときは大日本プロレス×新台湾プロレス×PUZZLEの合同興行を観戦したのですが、それはあくまで大日本の台湾大会。基本的には大日本の興行パッケージが台湾で開催されるというものでした。
ですので、ほとんどが日本人選手。アナウンスやマイクアピールは日本語がメイン。観客席にも日本人のお客さんがちらほら、という環境でした。
満足度が高かったこの合同大会のあと、欲は生まれるもんで、
「せっかくなら日本で味わえない台湾団体独自の大会と試合、そして観客の熱を体感してみたい!」
という欲が湧き、今回それを早くも叶えられた!という経緯です。いてもたってもいられず、です。
毎月最終土曜日にはふたつある台湾の主要団体のひとつ「新台湾プロレス(NTW/新台灣娛樂摔角聯盟/New Taiwan Entertainment Wrestling )」が桃園市中壢區にある会場兼道場で定期大会を行っています。8月は31日に開催されるので、それを観戦することに決めました。
今回はこの8.31新台湾プロレス観戦の試合開始前までのお話です。
チケットの手配
さあ、プロレスを見よう。最初の関門。チケットをどうするか。
新台湾プロレスの公式SNSは、Xがほぼ更新されておらず、Instagramの過去の投稿を探っても告知のような投稿はあまり連投されていません。日本とは規模や団体数が違うからでしょうか。
また、SNSのプロフィールに掲載の公式サイトへのリンクにもなぜかアクセスできません。
Instagramで8.31の告知が始まったのが3週間前の8月8日。急かすことはしないおおらかさ、良いです。
正式に告知されたその投稿文を早速、翻訳サイトで日本語にしてみると
「チケットの事前予約は直接メッセージをください(要約)」
とあったので、早速公式アカウントへ大会を見に行きたい旨のメッセージを翻訳して送りました。その数時間後には
「受け付けるよ!名前と連絡先教えてー(要約)」
というレスポンスをもらえてひと安心。しかも…日本語で!
そんな親切な配慮をしてくれるなんて台湾の人たちはやさしいなぁ、うれしいなぁ、とすぐ必要事項を書いて返信。も、その後は音沙汰なし…。やや不安になるも、大会前日に
「受け付けました、ありがとう!明日ねー」
というお返事が届いてチケットが無事に確保できていることを確信しました。
どうやら日本の小規模団体と同じく、団体または選手による取り置き方式がチケット流通のメインのようです。プレイガイドでは販売していないので、日本からの予約方法はこれだけかもしれません。メッセージのやり取りさえ大丈夫ならスムーズに予約できると思います。(2024.9.4現在)
ちなみに前売券は当日券よりNT$50安いのでお得です。チケット代金は当日受付で支払います。
アクセスと周辺の様子
大会当日は14:00試合開始。全席自由。最大キャパは事前に調べたところ80人の会場のようです。
次に会場までの交通。
私は台北駅を拠点にしていたので、そこからのルートで案内します。
会場の最寄り駅は「内壢(內壢)駅」で、地下鉄(MRT)ではなく国営の台湾鉄道を利用します。
注意すべきは、台湾高速鉄道ではないということ。これは日本でいう新幹線なので、間違えて乗ると遠くに連れていかれます。たいへんです。運賃も高いです。
「台北(臺北)駅」から台湾鉄道で「内壢(內壢)駅」
とだけ覚えてください。運賃はNT$51です(2024.9.4現在)。
電車に乗ってしまえば乗り換えはないので簡単。乗車時間は約43分。駅数でいうと9駅です。
内壢駅に着いて改札に出るまでぐるっと迂回するのですが、出口方向の矢印通り進めば大丈夫。
駅の改札を出ると大通りがあるのでまず右に。歩道がない道を進み次の交差点を右に。踏切を超えてまっすぐ進みまた次の角をまた右に。工場や倉庫が並ぶ細い路地を進みます。右ばかりで一周してしまうかと不安になりますが、少し進めば右手に会場が…ありました!
迷わず行けよ、行けばわかるさ。というやつですね。
大会開催時はその建物の前だけ賑やかになっているはずなのですぐにわかると思います。
言葉にすると少しややこしいですが、時間にして徒歩約5分。
方向音痴な私がGoogleマップを見ただけでたどり着けたので徒歩ルートは複雑ではありません。
駅周辺ですが、飲食店は数店舗ありますが繁華街ではないです。営業日や時間も気まぐれかもしれません。会場と逆方向だったら店舗も幾つか見えました。
飲みものは会場でも安価で販売していますので、到着前にコンビニへ寄らなくても安心です。
会場の中は
続いて会場の様子です。
名称は「桃園中壢道場」。普段は道場で使用しているようで決して大きくはないです。
おそらく倉庫を改築したような、昭和の香りがする道場そのもの、という雰囲気で、良い具合のアンダーグラウンド感に溢れています。
向正面に入場ゲートがあり、客席は正面側のみ。座席列は7列ほどですが、当日券のお客さんが多ければ増席されます。実際、この日も開場後に増席していました。
館内のイメージとしては、日本でいうと西川口の「レッスル武闘館」をひと回りコンパクトにした感じ。道場という視点だと、今はなき「UWF道場」です。古いですが。
ひな壇や段差はないので前のお客さんが大きい方だとリングはやや見ずらいかと。これは仕方ないですね。全席自由なので、前列で観戦したい人は早めの到着がおすすめです。
客席と場内の雰囲気
さあ、着席しました!
客席にはおそらく何度も観戦する常連さんや地元の新台湾プロレスファンの皆さんでいっぱい。
はじめての会場どころかはじめての台湾団体のプロレスを経験する私は、観客席含め全体を見渡したいので後方中央の座席で観戦です。
これこれ、この良い意味でのニッチさ。ここに集まった限られた人たちだけが共有できる独特の空間。
システマチックになっている日本では最近あまり感じられないこの手作りな雰囲気。
そして、真夏の屋外とは違う熱気。
この熱気は私がはじめて新台湾プロレスを観戦する興奮からだけでなく、小さい団体が毎月行う定期大会を愛するお客さんから発せられる期待感が作り出しているものかもしれません。
いよいよ、開始…!
さあ、試合がはじまります!ということで、次回は大会観戦記と雑感です。
あっ!とても大事なことを最後にお伝えしておかないと。
この会場、まんま倉庫な造りなので、エアコンがありません!
巨大なファンが設置されていますが、館内はめちゃくちゃ暑いです!
着席後も汗が止まりません!
観戦時にはそれだけ念頭に入れておいてください。
独特の熱気はこれも影響してるのかもしれませんね。
では、またここで。